iPhoneで手軽にハイレゾ再生できるようになってきたからか、ハイレゾ関連の記事がオーディオ系以外のメディアにも掲載されるようになって来た気がする、今日この頃。
ただ、そういう記事で試聴しているのがJPOPやアニソンだったりするので「それは違う」と言いたくなるのは、年を取ったせい?(笑)
それと商売だから仕方ないとはいえ、「ハイレゾ対応ヘッドフォン/イヤフォン」とか、意味不明な製品も続々出てきていて、カオスだ。DAコンバータ入りのヘッドフォンならいざ知らず、単なるちょっと高級目なヘッドフォンをハイレゾ対応と呼ぶのは、詐欺だろう(笑)。
という訳でデジタルオーディオに久しぶりに戻ってきて浦島太郎の自分の整理のために調べた事をまとめてみます。
「ハイレゾ・オーディオ」は一言で言うと「CDより高精細なオーディオデータのフォーマット」の事のようだ。定義はハイレゾオーディオの呼称について(周知)にある。
CD/DVDフォーマットの「サンプリング周波数:44.1KHz(CD)or 48KHz(DVD)」×「量子化:16bit」のどちらかが超えるものをハイレゾと言うというそうだ。すごい大ざっぱ。表にしてみる。チャンネル数はすべて2chで計算。
メディア | サンプリング周波数 | 量子化 | ビットレート | CD比 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
CD | 44.1 KHz | 16bit | 1,411.2 kbps | 1 | |
PCM | 44.1 KHz | 24bit | 2,116.8 kbps | 1.5 | |
PCM | 48 KHz | 24bit | 2,304 kbps | 1.6 | DVD |
PCM | 96 KHz | 24bit | 4,608 kbps | 3.3 | |
PCM | 192 KHz | 24bit | 9,216 kbps | 6.5 | DVD-Audio 2ch時 |
DSD | 2,822.4 KHz | 1 bit | 5,644.8 kbps | 4 | SACD |
組み合わせとしては色々な可能性はあるだろうけれど、現実的にはサンプリング周波数 44.1 KHz × 量子化24bit の組み合わせ以上がハイレゾと呼んで良いものになると思うが、比較的ポピュラーなものでも上の表の用にいくつかある。
DVD-audio の2ch時の規格もあるにはあるが、DVD-audio はどちらかというとマルチチャンネルオーディオに走っていて、96KHz × 24bit × 6ch(5.1ch)になっていた。出始めの頃何枚か買ってみたが、これは違う!と思って放棄。今は市場から消えてしまったようだ。マルチチャンネルは映画には良いけど、音楽には向いていないように思う。
という訳で、そもそもデジタル化の方式が違うので単純に比較しても仕方ないが、SACD(2.8MHz × 1bit)のデータ量が一番大きい=最も高精細(ハイレゾ)なので、マニアはDSD を好むのか、とこの表を作ってみて気が付いたのだ。
問題は、録音した音源がハイレゾだったのかどうか、だ。色々ググって調べると、よほど音質に拘ったレコーディングでなければ、44.1KHz か 48KHz の 24bit で録音されている事が多いらしい。もちろん SACD 用のものはDSDで録音されているのだと思うが、どうなのだろう。
単にスペックだけでは良し悪しが決まらないのがオーディオなのだけど、「ハイレゾ=高音質」というプロモーション先行であまりカオスにしない事を切望。
古いものはアナログ音源のデジタル化なので何でもありと思うが、特にデジタル録音時代のものは録音時の仕様も書いて欲しいぞ。
水増しハイレゾはディスクの容量を消耗するだけだから。
さて、iFI の nano iDSD は、CD系列のPCM(44.1KHz 88.2KHz 176.4KHz 352.8KHz)と DVD系列のPCM(48KHz 96KHz 192KHz 384KHz)、DSDの2系統(2.8MHz 5.6MHz と 3.1MHz 6.2MHz)、DXD という聞きなれないフォーマットまで対応している。
どの周波数に対応しているかは、表面についたLEDランプの色で表示するが、解りにくいので表にした。数字の色がLEDランプの色。
PCM CD系列 | PCM DVD系列 | DSD SACD系列 | DSD ?系列 |
---|---|---|---|
44.1 KHz | 48 KHz | 2.8MHz | 3.1 MHz |
88.2 KHz | 96 KHz | 5.6MHz | 6.2 MHz |
176.4 KHz | 192 KHz | ||
352.8 KHz | 384 KHz |
今のところ、比較的手軽に買えるDAコンバーターの中で、 iPhone/iPadで使えて、DSDも含めて幅広いフォーマットに対応しているのは iFI nano iDSD くらいかも。
デジタルの世界はあっという間に類似品が出てくるので、今年の後半からはもっと出てくると思うけれど、今年がハイレゾ普及の年になるような気がする。
ただ、再生環境だけでなく、音源を提供する側も「水増し(コンバート)ハイレゾ」でない、本当に音の良いものだけを出して欲しいと思う。でないと、SACDやDVD-Audioと同じ道をたどってしまう。CDフォーマットで満足できるものは無理してハイレゾ化せずにCDフォーマットで良いと思うのだ。
ハイレゾ関連の訪問者が増えたので、ハイレゾ、HF Player、iFi nano iDSD 関連の記事を別ブログ Hi-Res Fan に系統だててまとめた。興味のある方はどうぞ。